愉快系

どぉでもいい感じの愉快な日常をお届け〜。具体的にはアニメ的な?

HTMLを組み続けて早13年

若いIT業界においては、コンテンツ制作の方法がちょっとまずいのではないかと、今さらながらに気づいたような、そうでないような。

コンテンツの老舗といえば出版業界だと思うのですが、書籍制作とサイト制作を比較してみます。

 

問題は大きく2つあって、1つめは手順。

書籍は、まずは何よりもコンテンツありきなので、まっさきに原稿を書くのは周知の通り。で、原稿が上がってから、装丁を作りページレイアウトを組んでいきます。

しかしサイトは、ぼくの経験上ではデザインが先行してしまうことが多い。ひとまず『枠』だけ作って、その枠に対してコンテンツを埋めていくような。

もし、サイト制作のこの手順を書籍に例えるなら、書籍内容の検討もそこそこに、というかテーマくらいしか決まっていないのに、まずは装丁を作り、ページレイアウトを組み、そうしてから「じゃあ、この装丁と行数にあうよう執筆してください」といっているようなものです。

ぼくは過去に何度も「イメージがわかないんで、まずはデザインを作ってください。そしたら文章を書くんで」といわれてきましたが、これも出版にたとえるなら、作家が「まずは装丁を作ってください。それに合わせて小説を書くんで」といってるようなものです。

そういう人は “ナンノタメニ” サイトを作るのか? これがすっぽり抜け落ちているので、たとえデザインが上がったとしてもまともなコンテンツを作れた試しはありません。

 

もう一つの問題は、人材。

IT業界には『編集者』に相当する人がほぼ皆無だそうです。ITではそういう役回りの人をディレクターと呼びますが、本来なら、コンテンツもデザインもレ イアウトも一通り分かってて、それら情報を有意義に統合できる人が編集者でありディレクターであるはずですが……ITの場合、新卒・新人がディレクターを 名乗る場合が圧倒的に多い。

つまり、デザインもできなければコーディングもプログラミングもできないので、いわんや、もっとも難解なコンテンツ編集などできるはずもなく、仕方がない からとりあえずカッコよさげ(?)なディレクターを名乗る。あとマーケッターとかコンサルタントとか。広告枠売ってるだけですけど何か?的な。(ソレをコ コで書くかね(^^;)

あとは、各種データを右から左に流すだけの人。いなくていいって!

 

結果的に、デザイナーがこれを一手に引き受けることになります。『第一印象でいかに人を魅了するか』という難問に腐心するべき人が、コンテンツの編集からわがまま"作家"の説得(゚Д゚)まで行います。大変です。スキルセットが違うし、時間的にも無理があります。

そうなるとどうなるか?

最終工程のHTMLコーディングに如実に表れてきます。見出しのデザインがページ毎にバラバラから始まって、サイト構造がおかしい・情報整理ができていない・リンク構造に統一性がない・ナビゲーションがちぐはぐ……などなど。

そうすっと、サイト裏側もバラバラになり、バラバラのディレクトリ構造の中ですべてスクラッチで縦横無尽にリンクを張り巡らせてHTMLをなんとか作 る……いわば、増改築を繰り返した家のような状態になるので、工数だけでもめっさかかりますし、完成後も住みにくいこときわまりなく、使いづらいこと自明 なわけで、劇的ビフォーアフターに登場すること請け合いです。

 

HTMLコーディングとは妙なスキルで、所属はプログラミングなのに、デザインの基礎知識がないとできないのです。「1pxずれてるがな!」的な目も必要 です。動くかどうかをチェックする代わりに、表示されるかどうか、に心血注いでデバッグします。(ま、すべてMS社のせいだけどネ)

出版でいえばDTPオペレーターみたいなものですかね。ただDTPと違うのは、サイトはリンク構造があるので、1ページ1ページじっくり見てます、では優れたコーダーとはいえず、サイト全体を俯瞰した上で、1ページ毎のコーディングをしていく必要があります。

だから、情報整理に無理があるなど、最終工程でアラが如実に分かるのですが、残念かな、最終工程なのでこの段階ではもはや修正が効きません。せっかく、サイトの表から裏まですべてを見ているというのに。

 

だとしたら、コーディングをやり上げた人がディレクター──つまり編集者になればいい、と思いがちですが、これまた困ったことに、コーディング好きの人は対人関係が苦手です(偏見?)

だから逆で、ディレクターをやる人は、コーディングをしっかり学ばねばならない。コーディングをやり上げることで……

・デザインが分かる。(何しろ、1px単位でしっかり見ます。ズーム1000倍とかで見ますよ。アラもね!)

・情報構造やリンク構造を把握せざるを得ない。

・サイト全体を表から裏まで俯瞰する癖がつく。

というスキルが身につくはずです。コーディングとは、HTMLをいかに行数少なく書くか、ではないのです、本来は。

 

コーダーは最終工程であるが故に、安ければ安いほどよい、と思われがちですし意見する場もない。しかしそれはもったいない。優れたコーダーの経験から逆算してサイト構造を見直すことも重要です。

そうすることで、日々のメンテが格段に早くなります。時は金なり、です。ダメなサイトだと、ベテランコーダーでも、ちょっとした修正に何時間もはまることになります。あっちを直せばこっちが崩れる、という感じで。

いずれにしろ、サイトを立体的に捉える感覚が養われているので、導線設計はコーダーのほうが上手にできるといえます。もちろんコーダー側も情報デザインを学ぶ必要はありますが、平面で見がちなデザイナーより適正はあるかなと。

つまりディレクターになりたい人は、数年コーダーとしてのキャリアを積むことで、優れたディレクターとなれるかもしれません。少なくとも、広告枠を売りまくるスキルよりは必要(ココで書くのはヤバイって(^^;)

 

つまるところ手順の問題・人材の問題、この2つの問題があって、主役であるはずのコンテンツがおざなりにされているわけですね。

まぁそんなわけですが、この辺から、何か新しい商売のネタでも見つけましょうかねー?